Q1
歯内療法って何ですか?
「歯の内部の治療」のことを「歯内療法」と言います。虫歯が進行した歯の神経を取り除いたり、歯の根の部分の治療なども歯内療法にあたります。建物と同じように、歯を長持ちさせるためにも根(土台)の治療は重要ですので、歯内療法の精度は皆さんの歯の寿命に直結する治療です。
歯内療法は保険診療として、全国の歯科医院で一般的に行われている治療ですが、難易度は非常に高く、根尖病変ができてしまった状態になると成功率は38%と言われています。
(引用:2001年 Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod.「Comparison of clinical outcome of periapical surgery in endodontic and oral surgery units of a teaching dental hospital: a retrospective study.」 :Rahbaran S, 他)
「成功率は「歯科医師の治療技術」や「歯科医院の設備」に左右させるため、皆さんの歯を残す上で、どの歯科医院で治療を受けるか?は重要な選択になります。
1つの指標としては歯内療法学会の「専門医」であること、更にその上の認定である「指導医」であることが一般の皆さんにとってもわかりやすい指標かと思います。これらは学会が一定水準以上の技術を持っていると認めた歯科医師に付与されるものであり、「指導医」は全歯科医師数約10万人に対して106名しかいません。(全歯科医師僅か0.1%です。)
また、四国で「指導医」の認定を受けているのは当センター長のみです。(2024年8月時点)
当院について
Q2
治療した後も痛いのはなぜですか?
色々な理由が考えられますが、そのうちの1つとして「歯の神経が取り切れていなかった」という場合が有ります。”Q1”の説明にもあるように、神経は非常に複雑な形をしており、厳密に言うと今の歯科医療では完全に除去する事は難しいです。
そのため、可能な限り神経や感染物質を取り除き、後はご自身がもっている免疫力と細菌が戦い、免疫力が勝てば、痛みは出ずに治癒に向かいます。
しかし、逆の場合は再度細菌が増え始め、もう一度痛みが出始めることが多いです。当然、私たちには精密な技術が求められますし、従来の治療では除去できなかった部分の細菌を取り除く「高周波歯内療法EMAT」を併用して皆さんの歯を長持ちさせていきます。
当院の治療について
Q3
根の先に病気(膿の袋)ができていると言われました。
歯の中にいる細菌が増殖すると、細菌は歯の根の先端にある神経の入り口を通って身体の中に広がろうとします。細菌の力が強いと、歯の先端部分の周りの骨を溶かし始め、膿の袋をつくります。レントゲンで見ると骨が溶けている様子が黒く写り、人によっては歯茎にニキビのような膨らみが生じる場合も有ります。このような状態を私たちは「根尖病変」と呼んでいます。このような状態になっても自覚症状が無い場合も有りますが、細菌が増殖してしまっている状態なので早めの治療が必要です。
症例のご紹介
Q4
歯内療法の成功率はどれくらいですか?
有名な学会誌に掲載されている論文のデータをご紹介します。”Q3.”のように根尖病変ができてしまい、その大きさが5mm以上になってしまうと、成功率はたったの38%しかないと言われてます。
(引用:2001年 Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod.
「Comparison of clinical outcome of periapical surgery in endodontic and oral surgery units of a teaching dental hospital: a retrospective study.」 :Rahbaran S, 他)
5円玉の中心に空いている穴の大きさが約5mmなので、あれだけ小さな範囲の骨でも溶けてしまうと、その治療は成功しない(歯を抜かなくてはいけない)ということです。
それに対し、EMAT治療の成功率は約97%という研究結果が報告されています。
(引用:2011年 四国歯学会雑誌 「電磁波照射の歯内療法への応用 -EMAT (Electro-Magnetic Apical Treatment)-」:富永 敏彦)
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